日記

くたびれた大人のらくがき帳

逢瀬AK4499DAC 8chチャンデバ化 その2

 

前述の逢瀬AK4499DACが無事鳴ったので8chチャンデバ化します。

逢瀬AK4499DACはありがたいことにDSPバイパスモードが搭載されています。R71~R74(75Ω)の抵抗を取っ払って各I2Sとclockを接続することでマルチチャンネルでD/Aしてくれます。

4499DACのマニュアル抜粋

2chのI2Sを8chに分配するサウンドプロセッサーボードとして、miniDSPのU-DAC8から摘出したminiSHARCを使用しました。

U-DAC8

外部I2Sを受けて処理してI2S吐かせるためにスレーブモードで動作させる必要があります。基板上のヘッダー(J1)のpin8をpin6に落とすことでスレーブモードで動作します。

miniSHARC User Manual

https://www.minidsp.com/images/documents/miniSHARC%20User%20Manual.pdf

I2SとClock処理

除去したR71~R73のパターンからminiSHARCへ配線します。DACの各デジタル入力を利用できます。

DACメイン基板側     miniSHARC側

R71:DATE        →10pin

R72:LRCLK(48kHz)     →14pin

R73:BCLK(3MHz)       →15pin

JP5:DSP MCLK (24MHz)  ←9pin

JP7:DATE12        ←16pin

     :LR(96kHz)          ←20pin

     :Bit(6.1MHz)          ←21pin

JP8:DATE34        ←17pin

JP9:DATE56        ←18pin

JP10:DATE78           ←19pin

 

miniSHARCデータシート抜粋

DACメイン基板

 

電源

miniSHARCに電源を接続する必要があります。要求電圧は5V~24V。DAC本体の基板から電源を取る予定でした。するとちょうどデジタル電源の外部入力用端子が設けられているではないですか。24V→DCDC12V→レギュレーター7Vと降圧していて、DCDCを取り除いて約12Vの入力を可能としていたようです。おそらくminiSHARC追加を考慮してソケットをマウントしたままにしてくれたのでしょう。ありがたく利用させていただきました。(入力電流は確認したほうがいい)

 

4499DACのマニュアル抜粋

miniSHARCの電源接続の様子

動作確認

電源を入れて動作確認を行いました。DACに1kHzを入力し出力波形を確認したところ下図の波形となりました。デジタルフィルタが効いておらず、NOS状態の波形となっています。どうやら192kHzで入れてあげないとフィルタがかからないようですが、miniSHARCは48kHz/96kHzでしか出せないのでお手上げでした。

NOS波形

これに対してメーカーで対策していただいたファームウェアがリリースされました。

2020/09/22以降のバージョンで対策されています。

ause-audio.com

以上で8chチャンデバ化の改装は完了です。

3年ほど放置してましたが最近でもファームウェアをバージョンアップして動作安定の改善もあるようで確認してみたい気もします。(DSPパスしてるので音質アップは関係ないだろうとアップデートを無視していた。)おかげで8ch差動出力チャンデバが手に入りました。4wayまでは自由に遊べます。いいぞ~。

 

 

おまけ

USB端子

miniSHARCをPCで操作するためにminiSHARC基板上のUSB Mini-BをPCと接続する必要があり、DACのシャーシからケーブルを引き出す必要がありました。しかし、この点もすでに考慮されていたかのようにフロントパネルにUSB用の穴が空いています。ノイトリックのUSB端子をパネルに取り付けて内部を接続すれば完成。下にPHONEと書いてあるのが謎ですね。ちなみに公式ではフロントのPHONEジャックの端子がシルバーなのですが、フロントパネルのマッドな仕上げとノイトリックのメタリックな仕上げがバチクソミスマッチでちゃっちいかったので黒にしてます。

USB端子を追加

OLEDパネル

その1で少し触れたOLEDのパネルの縁が汚い件、処理前の画像が発掘されたので磨く前と後の画像を付けます。完成品を注文した方の画像を見ると汚いままになっていたので磨きましょう。

OLEDパネル研磨前

OLEDパネル研磨後